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45歳で看護学校に入学、その生活を本に書いてベストセラーを狙い印税生活を夢見ている   ナースの日記です。
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 どうして看護師になりたいのですか?
 
 「クイ―ンズ大学、ダメだっって結果がきたよ」
「えー、本当?」
 私の電話に息子のがっかりした声が聞こえてくる。
「アメリカの大学は高すぎてダメだからね。カナダの大学、受からなかったら日本の大学にするんだよ。いいね!」
「リーハイ大学は、本当にダメ?」
 既に合格しているアメリカの大学に行きたくて仕方の無い息子は再度、確認してくる。
「だって、お金、無いでしょう?」
 私もつい、大声になってしまう。
「わかった」
私の大声に恐れをなしたのか、息子は静かに言って電話を切った。
 お金が欲しい。
子どもたちに好きな進路を進ませてあげられるだけの、お金が欲しい。それも私が看護師になろうとしている大きな理由のひとつと言えるかもしれない。
 私はこの看護職を目指すまでに、いろいろパートの仕事を経験している。クリーニング屋さんの受付、クレジット会社のオペレーター、主婦向けの英語の教師。そして、夫の事務所のトレーサーなどだ。だが、そのどれを取っても、心の満足を得られる仕事ではなかった。なにか、空しくてたまらなかった。自分の居るべき場所が他にあるような気がして、いつも何か目に見えないものにせかされ焦っていた。
 夫は独立して、建築事務所を開いている。最近の不景気で、めっきり仕事が少なくなっている。その上、やっと取れた仕事は、安価なものばかりである。彼の友人たちの中には事務所をたたんだ人たちも多いと聞く。
 そんな事情もあって、私は看護師を目指したのかもしれない。
 では、看護学校に入学して、焦りは確信に代わったのか。否。答えはノーである。私はその自身の中にある「焦り」の正体を知りたいと思った。そのために、がむしゃらに勉強した。
 
 それでは、そんな主婦学生の一日を皆さんにお知らせしよう。
 起床は朝4時30分。
 高校生の長男と中学生の長女のお弁当作りで1日が始まる。5時には2人を起こし、食事の後片づけをしていると、5時30分をまわる。自分の身支度には15分間くらいかかる。学校に出かける準備をしていると、3歳の次女が起きてくる。しばらく抱っこしてから、彼女に朝食を食べさせる。ぐずる娘の相手をしているとすぐに6時20分くらいだ。その後を夫に任せ、ゴミ捨てをしながら自宅から十数歩のところにあるバス亭に向かう。長男、長女、私の3人で同じバスに乗るために。バスの窓から半べその次女の泣き顔が見える。
 バスの乗車時間、15分。この時間が長男、長女との貴重な接触時間となるため、色々な話をする。つまるところ、この時間以外2人の話を聞いてあげる時間がないのが実情なのだ。だから、私は真剣に彼等の話に耳を傾けざるをえないのである。彼等も実に良く話をしてくれる。本当はもっともっと、じっくり話をしたいのに、と心が揺れるときもある。
 学校までの通学時間はちょうど2時間だ。9時始まりの授業なのだが、私は8時35分に学校に到着する。他のクラスメートたちは50分か55分に来るので、誰もいない教室で大きな深呼吸をしてから授業に臨む。
 月曜日は一番大変な曜日だ。毎週ミニテストがある、解剖学があるからだ。授業のテンポも速い。そして、心理学もある。とても興味深く面白いのだが、レポートの提出が毎週あるのだ。おまけに、生化学もある。私には難しすぎてなかなか頭に入らない。毎回出される課題のプリントを仕上げるのに四苦八苦している。
 どうやって勉強時間を確保するのか、もっぱらの私の課題である。
 自宅に帰り着く5時30分~6時には3歳の娘がからみ付いてくる。娘をあやしながら食事の支度、お風呂の用意、洗濯、と家事が目白押しだからである。
 そうなると、答えはひとつ。ギュウギュウ詰めの満員電車の中、往復の通学時間を利用する。いつも、教科書の一部をコピーして持ち歩くことにする。
 そして、もうひとつ。空き時間を利用する。時々、授業の変更があって、空き時間ができることがあるのだ。でも、これはダメだ。銀行や郵便局など、夫の事務所の雑務をしていると終わってしまうから。
 そんなこんなで、次女が眠ってくれる夜の9時30分~10時ころから勉強を始めると、眠るのが夜中の12時近くなってしまう。睡眠時間4、5時間は45歳の身体には少々こたえる。授業中コックリなんてこともある。
 こんな風に私の一日は過ぎて行く。3歳の娘の保育園への送迎を頼んでいる分、夫にはもうこれ以上頼れないかな、と思っているので頑張らざるを得ないのが実情だ。
 くだんの長男、ICUと上智大学を既に合格しているのに、
「アメリカの大学に行きたいなどとワガママもいい加減にしろ!」
 と、怒鳴りたいのはヤマヤマであるが、身分不相応と思いつつ、何とかカナダの大学だったら行かせてあげたいなどと望んでしまうのだ。
 カナダの大学の方がアメリカの大学よりもずっと学費が安いから。だがこの決断は正しかったのかどうか。
 
 どうして看護師になりたいのですか?
 
 「クイ―ンズ大学、ダメだっって結果がきたよ」
「えー、本当?」
 私の電話に息子のがっかりした声が聞こえてくる。
「アメリカの大学は高すぎてダメだからね。カナダの大学、受からなかったら日本の大学にするんだよ。いいね!」
「リーハイ大学は、本当にダメ?」
 既に合格しているアメリカの大学に行きたくて仕方の無い息子は再度、確認してくる。
「だって、お金、無いでしょう?」
 私もつい、大声になってしまう。
「わかった」
私の大声に恐れをなしたのか、息子は静かに言って電話を切った。
 お金が欲しい。
子どもたちに好きな進路を進ませてあげられるだけの、お金が欲しい。それも私が看護師になろうとしている大きな理由のひとつと言えるかもしれない。
 私はこの看護職を目指すまでに、いろいろパートの仕事を経験している。クリーニング屋さんの受付、クレジット会社のオペレーター、主婦向けの英語の教師。そして、夫の事務所のトレーサーなどだ。だが、そのどれを取っても、心の満足を得られる仕事ではなかった。なにか、空しくてたまらなかった。自分の居るべき場所が他にあるような気がして、いつも何か目に見えないものにせかされ焦っていた。
 夫は独立して、建築事務所を開いている。最近の不景気で、めっきり仕事が少なくなっている。その上、やっと取れた仕事は、安価なものばかりである。彼の友人たちの中には事務所をたたんだ人たちも多いと聞く。
 そんな事情もあって、私は看護師を目指したのかもしれない。
 では、看護学校に入学して、焦りは確信に代わったのか。否。答えはノーである。私はその自身の中にある「焦り」の正体を知りたいと思った。そのために、がむしゃらに勉強した。
 
 それでは、そんな主婦学生の一日を皆さんにお知らせしよう。
 起床は朝4時30分。
 高校生の長男と中学生の長女のお弁当作りで1日が始まる。5時には2人を起こし、食事の後片づけをしていると、5時30分をまわる。自分の身支度には15分間くらいかかる。学校に出かける準備をしていると、3歳の次女が起きてくる。しばらく抱っこしてから、彼女に朝食を食べさせる。ぐずる娘の相手をしているとすぐに6時20分くらいだ。その後を夫に任せ、ゴミ捨てをしながら自宅から十数歩のところにあるバス亭に向かう。長男、長女、私の3人で同じバスに乗るために。バスの窓から半べその次女の泣き顔が見える。
 バスの乗車時間、15分。この時間が長男、長女との貴重な接触時間となるため、色々な話をする。つまるところ、この時間以外2人の話を聞いてあげる時間がないのが実情なのだ。だから、私は真剣に彼等の話に耳を傾けざるをえないのである。彼等も実に良く話をしてくれる。本当はもっともっと、じっくり話をしたいのに、と心が揺れるときもある。
 学校までの通学時間はちょうど2時間だ。9時始まりの授業なのだが、私は8時35分に学校に到着する。他のクラスメートたちは50分か55分に来るので、誰もいない教室で大きな深呼吸をしてから授業に臨む。
 月曜日は一番大変な曜日だ。毎週ミニテストがある、解剖学があるからだ。授業のテンポも速い。そして、心理学もある。とても興味深く面白いのだが、レポートの提出が毎週あるのだ。おまけに、生化学もある。私には難しすぎてなかなか頭に入らない。毎回出される課題のプリントを仕上げるのに四苦八苦している。
 どうやって勉強時間を確保するのか、もっぱらの私の課題である。
 自宅に帰り着く5時30分~6時には3歳の娘がからみ付いてくる。娘をあやしながら食事の支度、お風呂の用意、洗濯、と家事が目白押しだからである。
 そうなると、答えはひとつ。ギュウギュウ詰めの満員電車の中、往復の通学時間を利用する。いつも、教科書の一部をコピーして持ち歩くことにする。
 そして、もうひとつ。空き時間を利用する。時々、授業の変更があって、空き時間ができることがあるのだ。でも、これはダメだ。銀行や郵便局など、夫の事務所の雑務をしていると終わってしまうから。
 そんなこんなで、次女が眠ってくれる夜の9時30分~10時ころから勉強を始めると、眠るのが夜中の12時近くなってしまう。睡眠時間4、5時間は45歳の身体には少々こたえる。授業中コックリなんてこともある。
 こんな風に私の一日は過ぎて行く。3歳の娘の保育園への送迎を頼んでいる分、夫にはもうこれ以上頼れないかな、と思っているので頑張らざるを得ないのが実情だ。
 くだんの長男、ICUと上智大学を既に合格しているのに、
「アメリカの大学に行きたいなどとワガママもいい加減にしろ!」
 と、怒鳴りたいのはヤマヤマであるが、身分不相応と思いつつ、何とかカナダの大学だったら行かせてあげたいなどと望んでしまうのだ。
 カナダの大学の方がアメリカの大学よりもずっと学費が安いから。だがこの決断は正しかったのかどうか。
 
 
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